エンジニアはプライベートを勉学に捧げるべきなのか

最近、エンジニアはプライベートも勉学に捧げるべきかどうかが話題にあがっていたので、せっかくなので考えてみる。

発端はおそらく

とても良質なポートフォリオを作成されてWeb系自社開発企業さんへのご転職に成功した方が、業務1ヶ月目のご感想をサロンでシェアしてくれたのですが、僕の見解もほぼこういう感じですね
「プライベートは全部勉強」がデフォ
ここはもう不可避なので皆さん今のうちから覚悟しておいてくださいw

からの

エンジニアになるならプライベートは全て勉強に当てろとかいう主張がタイムラインにいくつか流れてきて最高に治安が悪い。育児や介護でプライベートの時間を取れない人でも活躍できる多様性のある業界を目指そうな。勉学の成果を時間量で判断するのもやめような。

が大元の流れだと思う。

プライベートの時間を取れない人でも活躍できる多様性のある業界

そもそもこの業界ってどんな業界なのだろうか。

「プライベートで時間を取ることを強要しない」であれば、まあそうだろう。
しかし「プライベートの時間を取れない人でも活躍できる」はなかなかハードルが高い

たとえば「練習しない野球選手を、プロのまま居続けさせられる」というのが現実的に難しいのは想像に易いだろう。
もちろんこれは需要が極端に少ない世界の話だが、「実務に足るスキルを持っていない人に対して活躍の場を与える」というのが難しいのは間違いない。

特にエンジニアは「実務に足るスキル」が日々変化していっている以上、どこかでスキルアップしないとできる仕事は減る一方だ。

会社がスキルアップの場を提供する

これに対し、旧来の日本社会においては、会社がスキルアップの場を提供することで成り立っていた。
しかしそれは終身雇用を前提にした施策である。

成長コストをかけられる。
=そのコストがペイできる(社員が辞めない)
=終身雇用

たとえばジャニーズのアイドルグループも、幼少期から多額の金を投資し、人気になって初めてペイできるシステムだ。
もし「売れたから別事務所に異動」ということが多発するのであれば、そもそもジャニーズ事務所が幼少期からアイドルを育てるということも成立しなくなってしまう。

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今は、終身雇用の時代は終わりを告げようとしている。
したがって会社に成長機会を期待することは難しく、自分自身で成長していく必要性が増しているということだ。

知識の進歩の速度が上がっている

加えて、知識の進歩の速度はどんどん上がっている。

理由は被教育人口の増加だ。

FACTFULLNESSによると、いま世界人口の85%は過去「先進国」と呼ばれた枠組みの中に入っているという。
現在、ほとんどの国は実質的に先進国なのだ。

これは、今まで教育を受けずに農耕を行なっていたような層が、教育を受け学校に通い都会で仕事をしているということである。
つまり世界中で「まともに教育を受けている人口が増えている」わけであり、知識のアップデートをする能力を持った人が増えているということだ。

ITという参入障壁の低さ

特にITはパソコンさえあればできるものなので、参入障壁が低い。
需要が多いのもあり、世界レベルでIT関係の仕事をしている人の数は増える一方だろう。

多くの人が関わるようになれば、必然的に新しいことが生まれる速度は上がってくる。
こういう背景もあり、昔に比べて勉強することが増えているのだ。

特にインターネットの普及により知識の伝搬が起こりやすい時代である。
「昔は勉強しないでもやっていけた」という意見は現代において当てはまらない。
エンジニアが勉強しなくてはならないことは、今後より加速度的に増えていくからだ。

グローバル化で競争の激化

今は日本語という壁に阻まれている。
しかし、これから英語学習者の増加や自動翻訳で人種問わず雇用されるようになると、競争相手はグローバルに広がる。
特にリモートワークという視点でいうと、距離的な壁すらなくなる。

国レベルで相対化されたスキル比較

IT関係の需要はどんどん増えるとされているため簡単に仕事先がなくなるとは思わない。
しかしそれでも、世界規模での相対的なレベルは視野に入れる必要はある。

仮に日本人が「価格が高い割にスキルがない」のであれば、外国人を雇用する流れに行くのは避けられないだろう。
日本人全体で「勉強しないでも良いよね」という空気感を形成できたとしても、それは海外に雇用を奪われることにしか繋がらないのだ。

勉強を勉強と感じない人がいる

この議論でツイッターでもたびたび話題に上がっているが、技術の勉強を勉強と感じない人は多くいる

勉強と感じる人にとっては「仕事で疲れたから映画を見て休む」かもしれないが、勉強と感じない人にとっては「仕事で疲れたから技術書読んで休む」が成立する。
グローバル化と合わせると、そういう人口の絶対数はより増えていくだろう。

そんな中「勉強つらい」という人が戦っていくのは、どんどん厳しくなっていくかもしれない。

まとめ

以上を踏まえると、

  • 会社はスキルアップの場を提供するのが難しい
  • 勉強しないといけない内容はどんどん増える
  • 勉強を勉強と感じない世界中の人と戦う必要がある

ということになる。

若手エンジニアとの戦い

特に、若手は新しい技術を勉強している。

たとえば、今の若手フロントエンドエンジニアはReactやVue、Angularを勉強して業界に参入する。
そこで「40歳のエンジニアでjqueryしかさわれません」という人と、給料も安く新しい技術を触っている若手では後者を雇用する企業も多いだろう。
年齢が上がるにつれ求められる期待値も上がるため、どんどん辛くなってくるわけだ。

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そのためマネジメントや企画、起業など、純粋な技術で戦わないエンジニアも、年を重ねるにつれ私の周りには増えている。
(その方向転換をするにしても、その分野についての勉強は必要である。)

おわりに

結局のところ、「誰か私をスキルアップさせてください」は成立しづらい。
そして「自由にやらせてくれ」はもちろんその通りだと思うが、それは「誰もが活躍できる社会」には繋がっていかない。
待っているのは弱肉強食の自己責任の世界で、「自由にやっていいよ」は優しさのようで無責任な意見にも見える。

結局のところ真の意味で「誰もが活躍できる社会」を目指すには、各々が向いている仕事をやるのが一番であり、その方向に誘導することが大事と思う。

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@dorarep
小学生の頃からフリーゲーム作ってました。今はフリーランスでフルスタックエンジニアしてます。